外国人材が定着する会社・離職する会社の違い5選|長く働いてもらうために企業ができること【2026年版】

外国人材が定着する会社と離職する会社の違いを解説するイメージ

「外国人材を採用したけれど、すぐに退職してしまった」

「外国人スタッフに長く働いてもらうためには、何をすればいい?」

外国人材の採用を進める企業が増える一方で、採用後の定着に悩む企業も少なくありません。

外国人材の採用では、求人募集、面接、在留資格の手続き、入社準備など、入社までの流れに注目しがちです。しかし、企業にとって本当に重要なのは「入社してから長く安心して働いてもらえる環境をつくること」です。

外国人材が長く働き続ける会社と、早期離職につながりやすい会社には、いくつかの共通した違いがあります。

この記事では、外国人材が定着する会社と離職する会社の違いを5つに分けて、企業が実際に取り組めるポイントをわかりやすく解説します。

1.入社後のサポートが充実しているか

外国人材の定着を考えるうえで、まず重要なのが「入社後のサポート」です。

外国人材にとって、日本で働き始めることは、日本人が転職する場合とは異なる難しさがあります。仕事の内容だけでなく、日本語、生活習慣、職場のルール、文化、人間関係など、同時に慣れていかなければならないことが多くあります。

特に日本に来たばかりの外国人材の場合、仕事上の悩みだけでなく、住居、交通、買い物、病院、市役所での手続きなど、日常生活についても分からないことが出てくる可能性があります。

定着する会社では、「入社できたから終わり」ではなく、「入社してからがスタート」という考え方を持っています。

例えば、入社直後には仕事の流れを丁寧に説明し、定期的に面談を実施して、仕事や生活について困っていることがないか確認します。また、本人から相談がなくても、普段の様子を見ながら声をかけることが大切です。

一方、離職につながりやすい会社では、採用や在留資格の手続きが完了すると、外国人材へのフォローが少なくなってしまうケースがあります。

「何か問題があれば本人から言ってくるだろう」と考えてしまうと、本人が悩みを抱えたままになってしまうことがあります。

外国人材は、日本語で自分の悩みをうまく伝えられない場合もあります。そのため、企業側から定期的に確認することが重要です。

また、特定技能外国人を受け入れる場合には、企業に求められる支援があるため、必要に応じて登録支援機関を活用することもできます。

企業がすべてを自社だけで対応する必要があるとは限りません。重要なのは、外国人材が「困ったときに相談できる人がいる」と感じられる環境をつくることです。

外国人材の定着率を高めるためには、採用人数を増やすことだけでなく、入社後のフォロー体制を整えることが重要です。

入社後のサポートが充実しているか

2.日本人社員とのコミュニケーションが取れているか

外国人材が長く働くためには、日本人社員との良好なコミュニケーションも欠かせません。

職場で外国人材が孤立してしまうと、「何を聞けばいいのか分からない」「仕事で困っているけれど相談できない」といった状況が生まれやすくなります。

特に日本語能力にまだ不安がある外国人材の場合、自分から日本人社員に話しかけることをためらうケースもあります。

そのため、定着する会社では、外国人材だけに「日本語を勉強してください」「日本のルールを覚えてください」と求めるのではなく、日本人社員側もコミュニケーションの取り方を工夫しています。

例えば、仕事の指示をするときには、長く複雑な説明を避け、短く分かりやすい言葉で伝えることが有効です。

また、「分かりましたか?」と聞くだけでは、本当に理解できているか分からない場合があります。

そのため、「今日の仕事は何をしますか?」と本人に確認してもらうことで、認識のズレを防ぐことができます。

重要なルールや安全に関係する内容については、口頭だけでなく、写真や図、簡単な日本語などを使って説明する方法も効果的です。

さらに、仕事上の会話だけではなく、日常的なコミュニケーションも大切です。

「最近どうですか?」

「仕事で困っていることはありませんか?」

「休みの日は何をしていますか?」

このような簡単な会話でも、外国人材にとっては大きな意味があります。

職場に話しやすい人が一人でもいれば、問題が発生したときに早めに相談できます。

逆に、仕事以外の会話がまったくなく、外国人材だけが別のグループのようになってしまうと、孤独を感じたり、職場への帰属意識が低くなったりする可能性があります。

また、外国人材と日本人社員の間で誤解が生じた場合は、本人同士だけで解決させるのではなく、会社側が間に入って状況を整理することも重要です。

文化や仕事に対する考え方が違うことは、必ずしも「どちらかが間違っている」ということではありません。

お互いの違いを理解し、コミュニケーションを取りながら働ける環境をつくることが、外国人材の定着につながります。

日本人社員とのコミュニケーションが取れているか

3.仕事内容と条件が明確になっているか

外国人材の早期離職を防ぐためには、採用時と入社後の「認識のズレ」をなくすことも重要です。

例えば、面接では「工場での軽作業」と説明されていたにもかかわらず、実際には重い物を頻繁に運ぶ仕事だった場合、本人が「聞いていた仕事内容と違う」と感じる可能性があります。

仕事内容だけでなく、勤務時間、給与、残業、休日、勤務地などについても、採用前にできるだけ具体的に説明する必要があります。

特に外国人材の場合、日本語で説明を受けても、細かい内容まで完全に理解できているとは限りません。

そのため、企業側は「説明したかどうか」だけではなく、「本人が理解できたかどうか」を確認することが重要です。

例えば、専門用語を避けて簡単な日本語で説明したり、必要に応じて母国語で補足したりする方法があります。

また、入社後に仕事内容が変わる場合には、「なぜ変更するのか」「いつから変更するのか」「どのような仕事になるのか」を本人に丁寧に説明することが大切です。

給与についても同様です。

基本給だけではなく、残業代、各種手当、社会保険料などが給与にどのように関係するのかを説明しておくと、「思っていた手取り額と違う」というトラブルを防ぎやすくなります。

外国人材の中には、日本の税金や社会保険制度について詳しく知らない人もいます。

そのため、給与明細の見方や税金・社会保険料についても、必要に応じて説明すると安心につながります。

さらに、採用担当者と現場担当者の間で情報共有ができていることも重要です。

採用担当者から説明された内容と、現場で実際に指示される内容が違ってしまうと、外国人材は会社に対して不信感を持つ可能性があります。

定着する会社では、採用前の説明と入社後の実際の仕事内容に大きな差が出ないよう、社内で情報を共有しています。

「聞いていた話と違う」という状況をできるだけ防ぐことは、早期離職を防ぐための基本的なポイントです。

仕事内容と条件が明確になっているか

4.キャリアアップの道が見えているか

外国人材も、日本人社員と同じように「将来どうなれるのか」を考えています。

最初は仕事を覚えることに集中していても、数年働けば、「給料は上がるのか」「もっと責任のある仕事ができるのか」「資格を取得できるのか」「将来的にどのような働き方ができるのか」と考えるようになります。

定着する会社では、外国人材を単なる人手不足の解消として考えるのではなく、将来の戦力として育成する意識があります。

例えば、仕事に慣れてきた外国人材に、少しずつ責任のある仕事を任せる方法があります。

また、資格取得を会社としてサポートしたり、日本語能力の向上を支援したりすることも、本人のモチベーションにつながります。

「頑張れば次の仕事に挑戦できる」

「資格を取れば仕事の幅が広がる」

「会社で長く働けばリーダーを目指せる」

このように、将来の可能性が見えていることは、長期的に働く理由の一つになります。

反対に、「何年働いても仕事内容が変わらない」「頑張っても評価されない」「将来について会社から何も説明されない」という状態が続くと、より良い条件やキャリアを求めて転職を考える可能性があります。

特定技能外国人の場合は、在留資格制度との関係もあるため、本人が将来どのような働き方を希望しているのかを早い段階から確認しておくことが大切です。

例えば、「現在の会社で長く働きたい」「資格を取得したい」「将来的にリーダーになりたい」など、本人の希望を確認することで、企業側も育成計画を考えやすくなります。

また、キャリアアップを考える際には、日本人社員と外国人材を必要以上に分けないことも重要です。

もちろん、在留資格や日本語能力などによって担当できる業務には違いがあります。しかし、能力や経験がある外国人材には、それに応じた仕事や役割を与えることが、本人の成長につながります。

外国人材が「この会社で頑張れば、自分も成長できる」と感じられる環境をつくることが、長期的な定着につながります。

キャリアアップの道が見えているか

5.「外国人だから」と特別扱いしすぎていないか

外国人材を受け入れる際には、生活面や日本語面でのサポートが必要になることがあります。

しかし、「外国人だから」という理由だけで必要以上に仕事を限定したり、日本人社員との間に壁をつくったりすることは、必ずしも良い結果につながりません。

定着する会社では、必要な配慮や支援を行いながらも、外国人材を一人の社員として公平に扱うことを意識しています。

例えば、仕事を覚えて能力が向上した外国人スタッフには、日本人社員と同じように責任のある仕事を任せることができます。

また、良い仕事をした場合には、国籍に関係なくきちんと評価することも重要です。

「外国人だから、この仕事だけ」

「外国人だから、責任のある仕事は任せない」

という考え方が強くなりすぎると、本人が「会社から信頼されていない」と感じてしまう可能性があります。

一方で、外国人材に対して日本人社員とまったく同じ対応をすればよいという意味でもありません。

例えば、日本の職場文化や社内ルールについて十分な説明が必要な場合があります。生活面で困っている場合には、必要なサポートを行うことも大切です。

重要なのは、「特別扱い」ではなく「必要な支援を行ったうえで、公平に評価する」という考え方です。

また、職場のイベントや食事会、社内研修などにも、可能な範囲で外国人材が参加できる環境をつくることができます。

仕事だけでなく、会社の一員として人間関係を築くことができれば、職場への帰属意識も高まりやすくなります。

外国人材を「外国人スタッフ」としてだけ見るのではなく、「会社を一緒につくっていく仲間」として考えることが大切です。

国籍ではなく、仕事への姿勢、能力、経験、成果などを適切に評価することで、外国人材自身も「この会社で頑張りたい」と感じやすくなります。

外国人材の定着は「採用後」が重要

外国人材の採用では、求人募集、面接、在留資格の申請、入社準備など、採用までの手続きに多くの時間と労力がかかります。

そのため、企業によっては「入社してもらえた」というところで安心してしまうことがあります。

しかし、外国人材の定着を考えるうえでは、入社後の取り組みこそ重要です。

外国人材が安心して働くためには、入社後の継続的なサポート、日本人社員とのコミュニケーション、分かりやすい仕事内容や労働条件の説明、キャリアアップの機会、公平で働きやすい職場環境などを整える必要があります。

特に大切なのは、問題が起きてから対応するのではなく、「問題が起きる前に確認する」という姿勢です。

定期的に面談を行い、「仕事で困っていることはないか」「生活で困っていることはないか」「会社に改善してほしいことはないか」などを確認することで、小さな問題を早い段階で発見できます。

小さな不満が大きくなる前に対応できれば、離職を防げる可能性も高くなります。

また、外国人材本人だけでなく、現場の日本人社員からも意見を聞くことが重要です。

外国人材を受け入れることは、本人だけの問題ではありません。職場全体で受入れ体制をつくることで、より良い職場環境を実現できます。

外国人材の採用を「人手不足を補うため」だけで終わらせず、「会社の将来を支える人材を育てる」という視点を持つことが、長期的な定着につながります。

「外国人だから」と特別扱いしすぎていないか

まとめ

外国人材が定着する会社と離職する会社には、採用後の対応に大きな違いがあります。

特に重要なのは、「採用して終わり」ではなく、「入社後も継続して支える」という考え方です。

外国人材が安心して働き、会社の一員として成長できる環境を整えることで、長期的な雇用や人材育成にもつながります。

今回紹介した5つのポイントをまとめると、以下のようになります。

  • 入社後のサポートを継続する
  • 日本人社員とのコミュニケーションを大切にする
  • 仕事内容や労働条件を明確に説明する
  • 将来のキャリアアップを一緒に考える
  • 外国人材を一人の社員として公平に評価する

外国人材の採用や特定技能外国人の受入れでは、採用前の準備だけでなく、入社後の支援や職場環境づくりも重要です。

自社だけで対応することが難しい場合には、登録支援機関などの専門機関に相談することで、外国人材の受入れや定着に関するサポートを受けられる場合があります。

外国人材を「採用すること」だけをゴールにするのではなく、「長く安心して働いてもらい、会社の中で成長してもらうこと」を目指すことが大切です。

これから外国人材の採用を検討している企業様、すでに特定技能外国人を受け入れているものの定着について課題を感じている企業様は、現在の受入れ体制を一度見直してみてはいかがでしょうか。

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