特定技能外国人を受け入れている企業では、入社後の生活支援や相談対応、定期的な面談など、さまざまな支援を継続して行う必要があります。
その際に重要になるのが、「どのような支援を、いつ、誰に対して行ったのか」を記録として残しておくことです。
支援記録を適切に管理しておくことで、外国人材の現在の状況を把握しやすくなるだけでなく、受入れ企業と登録支援機関の間で情報を共有したり、担当者が交代した際に業務を引き継いだりする場合にも役立ちます。
また、特定技能1号外国人については、受入れ機関に支援計画に基づく支援を適切に実施することが求められています。そのため、支援を「実施した」というだけではなく、いつ・誰に・どのような支援を行ったのかを確認できる状態にしておくことが重要です。
この記事では、特定技能外国人の支援に関して、企業や登録支援機関が記録しておきたい情報、面談・相談・苦情への対応方法、記録の保存や個人情報管理のポイントについて詳しく解説します。
1.特定技能外国人の支援記録とは?
特定技能外国人の支援記録とは、外国人材に対して行った支援や相談対応、面談、会社との連絡・調整などについて記録したものです。
例えば、次のような情報が該当します。
- 定期的な面談の実施
- 生活オリエンテーション
- 相談・苦情への対応
- 日本語学習に関する支援
- 住居に関する支援
- 行政手続きのサポート
- 銀行口座開設などの支援
- 携帯電話・SIM契約などの支援
- 病院受診時のサポート
- 交通ルール・生活ルールの説明
- 転居に関する支援
- 職場で発生した問題への対応
- 会社と外国人本人との間の連絡・調整
- 転職や退職などに関する相談
- 一時帰国に関する相談
- 支援後のフォローアップ
支援記録は、単なる「業務日誌」ではありません。
外国人本人に対してどのような支援を行い、その後どうなったのかを確認できる重要な管理情報として整理することが大切です。
2.なぜ支援記録を残すことが重要なのか
特定技能外国人を受け入れている企業では、入社後もさまざまな問題や相談が発生します。
例えば、
「給与について分からないことがある」
「会社の人に相談しにくい」
「病院に行きたいが日本語が分からない」
「引っ越しをしたい」
「携帯電話を契約したい」
「仕事の内容について確認したい」
など、相談内容は人によって異なります。
これらを口頭だけで管理していると、時間が経ったときに、
- いつ相談を受けたのか
- 誰が対応したのか
- 何を確認したのか
- 会社へ連絡したのか
- 外国人本人へ説明したのか
- 問題が解決したのか
が分からなくなる可能性があります。
そのため、支援内容を記録しておくことが重要です。
支援記録を残す主なメリット
① 外国人材の状況を継続的に把握できる
過去の相談内容を確認することで、現在の問題だけでなく、以前から続いている問題にも気付きやすくなります。
② 担当者が変わっても引き継ぎやすい
担当者の交代や休暇などがあっても、記録が残っていれば別の担当者が状況を確認できます。
③ 企業と登録支援機関の情報共有がしやすい
企業側で把握している問題と、登録支援機関が面談で確認した内容を整理して共有できます。
④ 支援漏れを防ぎやすい
「次回確認する」「会社へ確認する」などの対応予定を記録しておけば、フォローアップを忘れにくくなります。
⑤ 支援の実施状況を確認しやすい
支援計画に沿って支援が実施されているかを、社内で確認しやすくなります。
3.「法令上必要な記録」と「日常の支援記録」を分けて考える
支援記録を管理する際には、すべての記録を同じものとして扱うのではなく、
① 法令・制度上、作成・保存が求められる記録
と
② 日常の支援業務を円滑にするための記録
を分けて考えることが重要です。
特定技能制度では、受入れ機関が支援を実施する場合、支援の実施状況を確認できるよう適切に記録・管理することが必要です。
また、支援を登録支援機関へ委託している場合でも、受入れ企業と登録支援機関の間で、どのような支援を実施したのかを確認できるようにしておくことが重要です。
ただし、すべての社内メモが「法令上必須の記録」となるわけではありません。
そのため、実務では、
- 制度上必要な記録
- 面談記録
- 支援対応記録
- 会社との連絡記録
- 外国人本人からの相談記録
- フォローアップ記録
などを整理して管理すると分かりやすくなります。
4.支援記録に残しておきたい基本情報
まず、誰に対して、いつ、誰が支援を行ったのかを明確にします。
基本情報
- 氏名
- 国籍
- 在留資格
- 所属会社
- 就業場所
- 支援担当者
- 支援実施日
- 支援方法
- 支援場所
- 支援区分
支援方法については、例えば、
- 対面
- 電話
- オンライン面談
- メール
- メッセージアプリ
- 同行支援
などを記録できます。
複数の外国人材を受け入れている企業では、誰に対する記録なのかが一目で分かるようにすることが特に重要です。
5.支援計画に基づく支援を記録する
特定技能1号外国人については、支援計画に基づいて必要な支援を実施します。
そのため、支援記録を作成するときも、
「支援計画のどの支援に該当するのか」
を確認できるようにしておくと管理しやすくなります。
例えば、
- 事前ガイダンス
- 出入国時の送迎
- 生活オリエンテーション
- 住居確保・生活に必要な契約支援
- 生活に必要な行政手続きへの同行等
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援
- 定期的な面談
- 行政機関への通報
など、支援項目ごとに管理できます。
※実際に必要となる支援内容や記録方法は、対象者の状況や支援計画、制度上の最新の取扱いを確認したうえで運用することが重要です。
6.生活オリエンテーションの記録
特定技能外国人が日本で生活するためには、生活に関するさまざまな情報を理解してもらう必要があります。
例えば、
- 交通ルール
- 電車・バスの利用方法
- ごみの出し方
- 防災・災害時の対応
- 住居のルール
- 騒音に関する注意
- 医療機関の利用方法
- 税金・社会保険に関する基本情報
- 相談窓口
- 生活上の注意事項
などです。
これらを説明した場合は、
いつ・誰に・何を説明したのか
を記録しておくと、後から確認しやすくなります。
例えば、
2026年10月6日、本人に対して地域のごみ出しルールおよび指定された収集日に関する説明を実施。本人から質問があり、具体的な分別方法を説明した。
というように記録します。
7.定期的な面談の記録
特定技能外国人への支援では、定期的な面談も重要です。
面談では、単に「面談実施」と記録するのではなく、本人の状況を確認した内容を記録しておくと、その後の支援に役立ちます。
面談で確認したい主な内容
- 仕事について問題がないか
- 職場の人間関係
- 勤務時間
- 給与・待遇
- 休暇
- 仕事上の悩み
- 生活上の問題
- 住居の問題
- 日本語学習
- 健康・医療に関する相談
- 家族に関する相談
- 一時帰国について
- 将来の希望
- 転職に関する相談
- その他の要望
本人が「問題ありません」と回答した場合でも、
仕事・生活・住居について本人へ確認したところ、現時点で特に問題はないとの回答。
など、確認した事実を残しておくとよいでしょう。
8.面談記録は「問題なし」だけで終わらせない
例えば、
「特に問題なし」
だけでは、何を確認したのかが分かりません。
より具体的に、
「仕事、給与、勤務時間、職場の人間関係、住居、生活状況について本人へ確認。本人から特に問題はないとの回答。」
とすると、確認した範囲が分かりやすくなります。
問題があった場合には、
「本人から、職場でのコミュニケーションについて相談あり。本人から状況を聞き取り、会社担当者へ事実関係を確認することとした。」
など、相談内容と対応を具体的に記録します。
9.相談・苦情への対応記録
外国人本人から相談や苦情を受けた場合は、特に丁寧に記録する必要があります。
例えば、
相談内容
職場で日本人社員とのコミュニケーションがうまくいかないとの相談。
本人からの説明
業務上の指示内容について理解できないことがあり、質問しにくい状況があるとの説明。
対応
本人から具体的な状況を聞き取り、会社担当者へ確認。
本人への説明
会社へ状況を確認したうえで、今後の対応について本人へ説明。
フォローアップ
次回面談時に職場での状況を再確認する。
このように、
相談 → 確認 → 対応 → 説明 → フォロー
まで記録しておくことが重要です。
10.会社との連絡・調整も記録する
外国人本人への支援だけでなく、受入れ企業との連絡内容も記録しておくと便利です。
例えば、
- 勤務状況について会社から相談を受けた
- 遅刻・欠勤について確認した
- 給与について確認した
- 住居について会社と調整した
- 外国人本人からの相談内容を会社へ共有した
- 会社から外国人本人への説明を依頼された
- 勤務条件について確認した
- 有給休暇について確認した
などです。
記録には、
連絡日・相手・連絡方法・内容・対応結果
を残しておくと分かりやすくなります。
11.行政手続きに関する支援記録
特定技能外国人の生活では、行政手続きの支援が必要になることがあります。
例えば、
- 住民登録
- 転居手続き
- マイナンバー関連手続き
- 税金に関する手続き
- 社会保険に関する手続き
- 在留手続き
- その他の行政機関での手続き
などです。
例えば、
2026年10月6日、市役所で転居届の手続きを行うため本人に同行。必要書類を確認し、手続き完了。
というように記録できます。
ただし、行政手続きについては、誰が手続きを行ったのか、誰が同行したのか、どこまで支援したのかを明確にしておくことが大切です。
12.銀行・携帯電話・SIMなどの生活支援記録
外国人材の生活支援では、銀行や携帯電話など、日常生活に関する支援も発生します。
例えば、
- 銀行口座開設
- キャッシュカード
- 給与振込
- 携帯電話契約
- SIMカード
- インターネット
- 電気・ガス・水道
- 住所変更
- 契約解約
などです。
例えば、
本人から携帯電話の契約について相談あり。契約内容を本人と確認し、必要な手続きについて説明。
などと記録できます。
13.住居に関する支援記録
住居についても問題が発生しやすいため、支援内容を記録しておくと安心です。
例えば、
- 入居手続き
- 転居
- 家賃
- 水道光熱費
- 住居設備
- 騒音
- ごみ出し
- 近隣住民とのトラブル
- 退去
- 修理・設備不良
などです。
例えば、
本人からエアコンの不具合について相談あり。管理会社へ連絡し、修理日程を確認。本人へ日程を説明。
というように、対応の経過まで残します。
14.病院・医療機関に関する支援記録
外国人本人が病院へ行く場合、日本語でのコミュニケーションが難しいことがあります。
その場合、
- 病院の探し方を案内した
- 予約方法を説明した
- 病院へ同行した
- 通訳を行った
- 医師からの説明を本人に伝えた
- 薬局について案内した
などの支援を行うことがあります。
ただし、医療に関する情報は特に慎重に管理する必要があります。
記録には必要以上の詳細な医療情報を残すのではなく、支援業務上必要な範囲で適切に管理することが重要です。
15.日本語学習に関する支援記録
日本語学習に関する支援を行った場合も記録しておくと便利です。
例えば、
- 日本語教室を案内した
- オンライン学習教材を紹介した
- 日本語学校について情報提供した
- JLPTについて説明した
- 日本語学習の相談を受けた
- 学習状況を確認した
などです。
例えば、
本人から日本語学習について相談あり。地域の日本語教室とオンライン学習教材について情報提供。本人は仕事と両立しながら学習する予定。
などと記録できます。
16.給与・労働条件に関する相談も記録する
給与や労働条件について相談を受けた場合は、特に事実関係を整理して記録することが重要です。
例えば、
- 給与明細について質問があった
- 控除について質問があった
- 勤務時間について相談があった
- 残業について相談があった
- 有給休暇について質問があった
- 契約内容について確認を求められた
などです。
記録する際には、担当者の主観ではなく、
本人が何を相談したのか
会社へ何を確認したのか
どのように説明したのか
を分けて記録するとよいでしょう。
17.遅刻・欠勤・勤務状況についての記録
会社から外国人本人の勤務状況について相談を受ける場合もあります。
例えば、
会社から、本人の無断欠勤について連絡あり。
その後、
本人へ連絡し、欠勤理由を確認。
さらに、
本人から体調不良との説明。会社へ状況を共有し、今後の勤務について確認。
というように、時系列で記録しておくと状況が分かりやすくなります。
18.一時帰国・家族に関する相談
外国人材から、
- 一時帰国したい
- 家族を日本へ呼びたい
- 家族の事情について相談したい
- 休暇を取得したい
などの相談を受けることもあります。
この場合も、
- 相談日
- 本人の希望
- 会社への確認
- 必要な手続き
- 本人への説明
- 今後の予定
を記録しておくと便利です。
19.転職・退職に関する相談
特定技能外国人が転職や退職について相談する場合もあります。
このような相談は、本人の在留資格や雇用状況にも関係するため、単純な「退職相談」として処理せず、必要な確認を行うことが重要です。
例えば、
本人から退職について相談あり。退職理由について本人から聞き取り。会社との契約状況を確認し、今後必要となる手続きについて案内。
などと記録できます。
転職支援が必要となるケースでは、支援計画や制度上必要な対応を確認しながら進めます。
20.支援記録は「時系列」で残す
支援記録を管理するうえでおすすめなのが、時系列で記録する方法です。
例えば、
| 日付 | 内容 | 対応 | 結果・今後 |
| 10/1 | 本人から給与について相談 | 会社へ確認 | 10/3に本人へ説明予定 |
| 10/3 | 会社から回答 | 本人へ説明 | 本人了解 |
| 10/10 | 面談で再確認 | 状況確認 | 問題なし |
このようにしておけば、後から見たときに問題の発生から解決までの流れを確認できます。
21.「誰が・いつ・何をしたか」を明確にする
良い支援記録を作るためには、次の5つを意識すると分かりやすくなります。
① 誰が
外国人本人、会社担当者、登録支援機関担当者など。
② いつ
相談日、面談日、対応日など。
③ 何があったか
相談・問題・依頼内容など。
④ どのように対応したか
電話、面談、同行、会社への確認など。
⑤ その後どうなったか
解決、継続対応、次回確認など。
例えば、
2026年10月6日、本人から住居設備について相談あり。本人から状況を聞き取り、管理会社へ確認。修理日程を確認後、本人へ説明。次回面談時に修理完了を確認する。
このように書けば、支援の経過が明確になります。
22.「本人の感想」と「確認した事実」を分ける
支援記録では、担当者の推測や感想をできるだけ避けることが重要です。
例えば、
避けたい記録
本人は会社に不満があるようだった。
この記録では、何を根拠に「不満がある」と判断したのか分かりません。
より分かりやすい記録
本人から、勤務時間について「説明を受けていた内容と違う」との相談があった。本人の説明を聞き取り、会社担当者へ勤務条件を確認することとした。
このように、本人が話した内容と、担当者が実施した対応を分けて記録することが大切です。
23.問題が解決したかどうかまで記録する
支援記録でよくある問題が、
「対応したところまでは記録されているが、その後が分からない」
というケースです。
例えば、
10月1日:給与について相談あり。会社へ確認。
だけでは、最終的にどうなったのか分かりません。
そのため、
10月1日:給与について相談あり。会社へ確認。
10月2日:会社から回答を受領。
10月2日:本人へ説明。本人了承。
10月15日:面談時に再確認。問題なし。
というように、解決までの流れを記録することが重要です。
24.支援記録の保存・管理方法
支援記録は、紙だけで管理する方法だけでなく、電子データで管理する方法も考えられます。
例えば、
- Excel
- Word
- 社内システム
- 支援管理システム
- クラウド上の管理ツール
などがあります。
ただし、電子データで管理する場合は、
- 誰が閲覧できるか
- 誰が編集できるか
- データをいつ更新したか
- バックアップがあるか
- 退職者のアクセスを停止しているか
なども確認する必要があります。
25.支援記録の保存期間にも注意する
特定技能制度では、受入れ機関が作成・保存すべき書類や記録について、法令・制度上の保存期間が定められているものがあります。
そのため、
「支援記録は何年間保存すればよいのか」
については、記録の種類ごとに最新の出入国在留管理庁の情報や関係法令を確認することが重要です。
すべての社内メモについて一律に同じ保存期間が適用されるわけではないため、企業では、
- 制度上保存が必要な書類
- 支援実施に関する記録
- 面談記録
- 相談対応記録
- 社内連絡記録
などを整理して管理することをおすすめします。
26.個人情報の管理にも十分注意する
支援記録には、外国人材の個人情報が多く含まれる場合があります。
例えば、
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
- 在留カードに関する情報
- 給与情報
- 家族情報
- 相談内容
- 医療・健康に関する情報
- 個人的な悩み
などです。
そのため、支援記録を管理する際には、必要な担当者だけが閲覧できる仕組みを整えることが重要です。
特にメールやチャットで支援情報を共有する場合は、送信先を間違えないよう注意し、不要な個人情報を共有しないようにする必要があります。
27.企業と登録支援機関で情報共有する
登録支援機関へ支援を委託している企業では、企業と登録支援機関の間で適切な情報共有を行うことが重要です。
企業から登録支援機関へ共有する情報
- 勤務状況の変化
- 遅刻・欠勤
- 労働条件の変更
- 会社内で発生した問題
- 外国人本人からの相談
- 住居に関する問題
- 一時帰国などの予定
- その他支援に影響する情報
登録支援機関から企業へ共有する情報
- 面談結果
- 本人からの相談
- 生活上の問題
- 職場に関する相談
- 支援機関が行った対応
- 会社へ確認が必要な事項
- 今後のフォロー事項
ただし、本人のプライバシーにも配慮し、支援上必要な情報を適切な範囲で共有することが重要です。
28.担当者が変わる場合の引き継ぎにも活用する
支援担当者が退職したり、部署異動したりすると、外国人材の支援状況が分からなくなることがあります。
そのため、
- 現在の相談事項
- 未対応事項
- 継続中の問題
- 次回面談予定
- 会社への確認事項
- 本人への説明予定
- 過去の重要な相談
などをまとめておくと、スムーズに引き継ぐことができます。
特に「未完了の支援」を明確にすることが重要です。
29.支援記録の記載例①|面談
支援日
2026年10月6日
支援方法
対面面談
対象者
○○ ○○
確認内容
仕事、勤務時間、給与、職場の人間関係、住居、生活状況について確認。
本人からの相談
職場での業務上のコミュニケーションについて相談あり。
対応
本人から具体的な状況を聞き取り。必要に応じて会社担当者へ確認することを本人へ説明。
今後の対応
会社へ状況を確認し、次回連絡時に本人へ説明する。
30.支援記録の記載例②|生活相談
相談内容
本人から、携帯電話の契約内容について相談あり。
対応
本人と契約内容を確認し、料金・契約期間・解約条件について説明。
結果
本人が内容を理解したことを確認。
今後の対応
現時点では追加対応なし。
31.支援記録の記載例③|会社との調整
会社からの相談
本人の勤務状況について会社担当者から相談あり。
確認内容
本人へ連絡し、本人から勤務状況について聞き取り。
対応
本人の説明内容を会社担当者へ共有し、今後の対応について確認。
結果
会社・本人双方へ確認事項を説明。
フォロー
次回面談時に勤務状況を再確認する。
32.支援記録の記載例④|相談から解決まで
| 日付 | 内容 | 対応 | 結果 |
| 10/1 | 本人から給与について相談 | 内容を聞き取り | 会社へ確認予定 |
| 10/2 | 会社へ確認 | 給与計算について確認 | 回答を受領 |
| 10/3 | 本人へ説明 | 会社からの回答を説明 | 本人了承 |
| 10/15 | 面談で再確認 | 状況を確認 | 問題なし |
このように時系列で管理すると、問題発生から解決までの経過を確認しやすくなります。
33.支援記録のチェックリスト
支援記録を作成するときは、次の項目を確認しておくと便利です。
基本情報
□ 対象者を明確にした
□ 支援日を記録した
□ 支援担当者を記録した
□ 支援方法を記録した
支援内容
□ 相談内容を記録した
□ 本人からの説明を記録した
□ 確認した内容を記録した
□ 実施した対応を記録した
□ 会社との連絡内容を記録した
フォロー
□ 今後の対応を記録した
□ 次回確認が必要か記録した
□ 問題が解決したか確認した
個人情報
□ 必要以上の個人情報を記載していない
□ 閲覧できる担当者を適切に管理している
□ データの保管場所を管理している
34.支援記録を作成するときに避けたいこと
支援記録を作成するときには、次のような記録は避けたほうがよいでしょう。
「問題なし」だけを書く
何を確認したのか分かりません。
担当者の推測を書く
「本人は会社を嫌っているようだ」など、根拠が不明確な表現は避けます。
感情的な表現を書く
「本人が怒っていた」「会社がひどい」などの主観的な表現ではなく、具体的な事実を記録します。
対応結果を書かない
相談を受けた後、何をしたのかが分からない記録は、後から確認しにくくなります。
個人情報を必要以上に書く
支援に必要のない個人情報まで記録することは避け、適切な範囲で管理します。
35.企業が作っておくと便利な支援記録フォーマット
企業では、担当者によって記録方法が変わらないように、あらかじめ支援記録のフォーマットを作っておくと便利です。
例えば、以下の項目を設定できます。
| 項目 | 内容 |
| 支援日 | 2026年10月6日 |
| 対象者 | ○○ ○○ |
| 支援方法 | 面談・電話・同行など |
| 支援担当者 | ○○ |
| 支援項目 | 面談・生活支援・相談対応など |
| 相談内容 | 本人からの相談内容 |
| 確認内容 | 聞き取り・会社確認など |
| 実施した対応 | 実際に行った支援 |
| 本人への説明 | 説明した内容 |
| 会社への連絡 | 会社との調整内容 |
| 今後の対応 | 次回確認・追加対応 |
| 対応状況 | 未対応・対応中・完了 |
| 備考 | その他 |
このような統一フォーマットを使用することで、担当者が変わっても同じ基準で記録できます。
36.支援記録は「外国人材を管理するため」だけのものではない
支援記録というと、「会社が外国人材を管理するための書類」と考えてしまうことがあります。
しかし、支援記録の本来の目的は、外国人材が安心して働き、生活できるように継続的な支援を行うことにあります。
例えば、以前の面談で、
「日本語で仕事の指示を理解することが難しい」
という相談があった場合、次回面談で、
「その後、仕事の説明は分かりやすくなりましたか?」
と確認できます。
このように、過去の記録を次回の支援につなげることが重要です。
37.支援記録を「次の支援」につなげる
良い支援記録は、単に過去を残すだけではありません。
過去の記録 → 現在の状況確認 → 次の対応
という形で活用できます。
例えば、
前回
職場でのコミュニケーションについて相談。
↓
対応
会社へ確認し、業務説明の方法を調整。
↓
今回
改善状況を確認。
↓
次回
継続して状況を確認。
このように支援記録を活用することで、単発の対応ではなく、継続的な支援につなげることができます。
まとめ|支援記録は特定技能外国人への継続的な支援に欠かせない
特定技能外国人の受入れでは、採用して仕事を始めてもらうだけでなく、入社後の生活や仕事について継続的に支援していくことが重要です。
そのためには、支援を実施するだけでなく、
「いつ、誰に、何を確認し、どのような対応をしたのか」
を分かりやすく記録しておくことが大切です。
特に、以下の情報を整理しておくと、支援業務を円滑に進めやすくなります。
- 支援を行った日付
- 支援対象者
- 支援担当者
- 支援方法
- 面談内容
- 本人からの相談・苦情
- 確認した内容
- 実施した対応
- 会社との連絡・調整内容
- 本人への説明内容
- 今後必要な対応
- 対応後の状況
- 次回のフォロー内容
また、支援記録には個人情報が含まれるため、閲覧権限や保存方法などにも注意する必要があります。
登録支援機関へ支援を委託している企業の場合も、企業と登録支援機関が必要な情報を適切に共有し、支援の経過を確認できる状態にしておくことが重要です。
支援記録を単なる「記録」として終わらせるのではなく、次回の面談や相談対応、社内での情報共有、担当者間の引き継ぎなどに活用することで、外国人材への支援をより継続的かつ適切に行いやすくなります。
特定技能外国人の受入れ・支援についてご相談ください
特定技能外国人を受け入れる企業では、在留手続きだけでなく、入社後の生活支援、相談対応、定期的な面談、企業との情報共有など、継続的な支援体制を整えることが重要です。
「外国人材を採用したいが、支援体制の作り方が分からない」
「支援記録をどのように管理すればよいか分からない」
「登録支援機関へ支援を委託したい」
「現在の外国人材への支援体制を見直したい」
といった場合には、登録支援機関への相談をご検討ください。
企業の受入れ状況や外国人材の状況を確認しながら、必要な支援内容や管理方法について整理することが大切です。
※特定技能制度に関する具体的な記録・保存義務や支援内容については、制度改正等により変更される場合があります。実際の運用にあたっては、出入国在留管理庁などの最新情報、関係法令・運用要領等をご確認ください。



