「特定技能外国人を採用したいけれど、面接では何を確認すればよい?」
「日本人の採用面接と同じ質問で大丈夫?」
特定技能外国人の採用を検討する企業が増える一方で、面接の進め方や確認事項について悩む企業担当者も少なくありません。
特定技能外国人の採用面接では、応募者の人柄や経験だけを確認するのではなく、仕事内容、給与、勤務時間、日本語能力、日本での生活、将来の希望などについて、企業と応募者の認識を合わせることが重要です。
採用後に「聞いていた仕事内容と違う」「夜勤があるとは知らなかった」「給与の説明を理解できていなかった」といったミスマッチが発生すると、早期離職につながる可能性があります。
そのため、面接は単に「採用する人を選ぶ場」ではなく、企業と外国人材がお互いを理解し、長く働くための条件を確認する場として考えることが大切です。
この記事では、特定技能外国人を採用する企業が、面接時に確認しておきたい10項目を詳しく解説します。
1.日本で働きたい理由
特定技能外国人を採用する際、最初に確認したいのが「なぜ日本で働きたいのか」という理由です。
外国人材が日本で働く理由は一人ひとり異なります。
「日本の技術を学びたい」「日本で長く働きたい」「家族を支えたい」「将来のキャリアを作りたい」など、さまざまな目的があります。
もちろん、給与や生活環境を理由に日本を選ぶこと自体が問題というわけではありません。しかし、企業としては、応募者がなぜ日本で働くのか、なぜその会社を選んだのか、どのような仕事をしたいのかを確認することが重要です。
例えば、面接では次のような質問ができます。
- なぜ日本で働きたいと思いましたか?
- なぜこの仕事を選びましたか?
- なぜ当社に応募しましたか?
- 日本でどのような経験をしたいですか?
- 将来、日本でどのように働きたいですか?
回答の内容から、応募者の仕事に対する意欲や会社への関心を確認できます。
また、「日本に来ること」自体が目的になっていないか確認することも大切です。
例えば、介護の仕事に応募しているにもかかわらず、「どんな仕事でもいいから日本で働きたい」という回答だけの場合、仕事内容について十分に理解していない可能性があります。
一方で、「母国で介護の経験があり、日本の介護技術を学びたい」「人と接する仕事が好きなので、高齢者を支える仕事をしたい」など、具体的な理由がある場合は、仕事内容との適性を確認しやすくなります。
ただし、面接では応募者の国籍や文化を理由に先入観を持つのではなく、本人の回答や経験を基に判断することが重要です。

2.応募する仕事の内容を理解しているか
特定技能外国人の採用では、応募者が実際の仕事内容を正しく理解しているかを確認することが非常に重要です。
特定技能制度では、分野ごとに対象となる業務が定められています。そのため、「日本で働きたい」という希望だけでなく、応募する仕事について具体的に理解しているかを確認する必要があります。
例えば、介護の仕事であれば、利用者の身体介護や生活支援など、実際の業務内容を説明したうえで、応募者がどの程度理解しているか確認します。
外食業であれば、調理だけではなく、接客、店舗管理、衛生管理などが業務に含まれる場合があります。
面接では、
「この仕事ではどのような仕事をすると理解していますか?」
「これまで同じような仕事をした経験がありますか?」
「立ち仕事がありますが大丈夫ですか?」
「お客様と話す機会がありますが問題ありませんか?」
など、具体的な質問をするとよいでしょう。
特に重要なのは、企業側が仕事内容をできるだけ具体的に説明することです。
「介護の仕事です」「ホテルの仕事です」といった簡単な説明だけでは、外国人材が実際の業務をイメージできない場合があります。
例えば、勤務時間、仕事内容、体力的な負担、接客の有無、夜勤の有無などについて具体的に説明すると、入社後のギャップを減らすことができます。
また、求人票に記載されている内容と面接時の説明に違いがないよう注意することも重要です。
採用したいという気持ちが強いと、企業側が仕事の大変な部分を十分に説明しないケースもあります。しかし、短期的に採用できても、入社後に「想像していた仕事と違う」となれば、早期離職につながる可能性があります。
仕事の良い面だけではなく、大変な部分も含めて説明することが、長期的な定着につながります。

3.日本語能力
特定技能外国人を採用する場合、日本語能力も重要な確認項目です。
特定技能の各分野では、必要な日本語能力や技能に関する要件が定められています。ただし、試験に合格していることだけで、実際の職場で十分にコミュニケーションできるとは限りません。
そのため、面接では資格や試験結果だけで判断せず、実際に日本語でコミュニケーションできるかを確認することが大切です。
例えば、
「自己紹介をしてください」
「これまでどんな仕事をしていましたか?」
「分からない仕事を指示された場合、どうしますか?」
「仕事でミスをした場合、どうやって報告しますか?」
などの質問をしてみましょう。
また、単純な質問だけではなく、実際の職場を想定した質問を取り入れることもおすすめです。
例えば、
「体調が悪くて仕事に行けない場合、どうしますか?」
「仕事中に分からないことがあった場合、誰に相談しますか?」
といった質問です。
このような質問をすることで、単に日本語を話せるかだけでなく、職場で必要な報告・連絡・相談ができるかも確認できます。
特に介護、外食、宿泊などでは、利用者、お客様、同僚、上司とのコミュニケーションが多いため、業務に必要な日本語力を具体的に確認することが重要です。
また、企業側も「日本語ができる人を採用する」というだけではなく、入社後に日本語を学べる環境を整えることが大切です。
例えば、業務で使う専門用語を教える、日本語学習の機会を提供する、分からないことを質問しやすい環境を作るなどの取り組みが、外国人材の定着につながります。
面接では、「話せるか」だけではなく、聞く・理解する・質問する・報告するという実務上のコミュニケーション能力も確認しましょう。
4.これまでの職歴・仕事内容
応募者がこれまでどのような仕事をしてきたのかも、面接で必ず確認したいポイントです。
履歴書や職務経歴書を見るだけではなく、実際にどのような業務を担当していたのかを本人に説明してもらいましょう。
例えば、
「これまでどのような仕事をしていましたか?」
「何年間働きましたか?」
「1日の仕事内容を教えてください」
「一番大変だった仕事は何ですか?」
「仕事で気をつけていたことは何ですか?」
などの質問が考えられます。
特に重要なのは、「職種」だけで判断しないことです。
例えば「介護の経験があります」と書かれていても、実際に担当していた業務が施設によって異なる可能性があります。
そのため、どのような施設で、どのような利用者を担当し、どのような業務を行っていたのかを具体的に確認するとよいでしょう。
また、未経験者の場合でも、これまでの仕事から活かせる経験を確認できます。
例えば、接客経験、工場でのチーム作業、清掃経験、飲食店での経験などは、別の職種でも活かせる可能性があります。
さらに、職歴の確認は能力だけを見るためのものではありません。
「なぜ前の会社を辞めたのか」「どのくらいの期間働いていたのか」などを確認することで、転職理由や仕事に対する考え方を理解することもできます。
ただし、前職の退職理由を確認する場合は、応募者を責めるような聞き方ではなく、事実を確認する形で質問することが大切です。
採用後にどのような教育が必要なのかを判断するためにも、面接では職歴だけでなく、具体的な仕事内容と身につけた技能まで確認しましょう。

5.特定技能制度について理解しているか
特定技能外国人を採用する場合、応募者が特定技能制度についてどの程度理解しているかを確認することも重要です。
海外から日本へ来る応募者の場合、友人や紹介会社、SNSなどから情報を得ていることもあります。
しかし、その情報が必ずしも正しいとは限りません。
例えば、「日本ならどんな仕事でもできる」「会社を自由に変えられる」「給料はすべて手取りでもらえる」といった誤解を持っているケースも考えられます。
そのため、面接では応募者がどのような制度だと理解しているのかを確認し、必要に応じて正しい情報を説明することが大切です。
例えば、
「今回の在留資格についてどのように理解していますか?」
「どの分野の仕事をする予定ですか?」
「日本でどのような仕事をする予定ですか?」
「日本で働くうえで不安なことはありますか?」
などを質問できます。
また、企業側も特定技能制度について正しく理解しておく必要があります。
特定技能は、単に外国人を雇用するための制度ではありません。受入れ企業には、適切な雇用契約、支援、届出など、制度上求められる対応があります。
そのため、採用担当者だけでなく、現場責任者や外国人スタッフを管理する担当者も制度の基本を理解しておくことが重要です。
応募者が制度について十分に理解していない場合でも、それだけを理由に不採用とするのではなく、企業側から分かりやすく説明し、双方が納得したうえで採用を進めることが大切です。

6.給与・勤務時間・休日について理解しているか
特定技能外国人の採用で特にトラブルになりやすいのが、給与や勤務条件についての認識の違いです。
面接では、企業側が「説明したつもり」でも、応募者が十分に理解できていない場合があります。
そのため、給与についてはできるだけ具体的に説明しましょう。
確認する項目としては、
- 基本給
- 各種手当
- 残業代
- 夜勤手当
- 賞与
- 昇給
- 勤務時間
- 休憩時間
- 休日
- 有給休暇
- 社会保険
- 寮費・住宅費
- 水道光熱費などの生活関連費用
などがあります。
特に注意したいのが、「総支給額」と「手取り額」です。
例えば「月給20万円」と説明しても、実際には税金や社会保険料などが控除されるため、本人が受け取る金額は20万円とは限りません。
外国人材に説明するときは、給与明細を例にするなど、できるだけ分かりやすく説明することが大切です。
また、残業や夜勤がある場合は、その可能性についても事前に説明しましょう。
「入社してから説明する」のではなく、採用前の段階で勤務条件を明確にすることで、入社後のトラブルを防ぎやすくなります。
特定技能外国人についても、労働関係法令に基づき適切な労働条件を確保する必要があります。
企業と応募者が同じ条件を理解していることを確認し、「採用したいから良いことだけを説明する」のではなく、実際の勤務条件を正確に伝えることが重要です。

7.夜勤・シフト勤務への対応
勤務時間については、特に夜勤やシフト勤務の有無を具体的に確認しましょう。
特定技能で働く外国人材の中には、夜勤があることを理解していないまま入社してしまうケースがあります。
例えば、求人票に「シフト制」と書かれていても、応募者が「昼間だけの勤務」と理解している可能性があります。
そのため、面接では実際の勤務スケジュールを説明すると分かりやすくなります。
例えば、
「早番は○時から○時です」
「遅番は○時から○時です」
「月に○回程度、夜勤があります」
「土日勤務があります」
など、具体的に説明します。
そのうえで、
「この勤務時間で問題ありませんか?」
「夜勤の経験はありますか?」
「夜勤を含むシフト勤務に対応できますか?」
などを確認しましょう。
また、夜勤がある仕事では、通勤方法についても確認が必要です。
夜間に公共交通機関が利用できない場合、自転車や自動車など別の通勤手段が必要になる可能性があります。
特に地方の勤務先では、住居から職場までの距離や交通手段が生活に大きく影響します。
そのため、勤務時間だけでなく、**「その勤務時間に実際に通勤できるか」**まで確認しておくことが重要です。
採用後に「夜勤ができない」「夜勤の時間帯に通勤できない」といった問題が起こらないよう、面接段階で具体的な勤務条件を共有しましょう。

8.日本での生活について
外国人材の採用では、仕事だけではなく、日本で生活するための環境についても確認することが大切です。
特に海外から来日する外国人材の場合、日本の生活環境が母国と大きく異なることがあります。
例えば、
- 住居
- 通勤
- 買い物
- 病院
- 銀行
- 携帯電話
- 公共交通機関
- ごみ出し
- 地域のルール
など、仕事以外にも覚えることが多くあります。
面接では、
「日本での生活について不安なことはありますか?」
「住居について希望はありますか?」
「通勤方法について理解していますか?」
「自転車を利用する場合、交通ルールを守れますか?」
などを確認するとよいでしょう。
特に地方の企業では、駅やスーパー、病院などが住居から離れている場合があります。
そのため、「会社が用意する寮がある」というだけではなく、実際に生活しやすい場所なのか、通勤できるのか、必要な買い物ができるのかなども考える必要があります。
また、外国人材が生活上の問題を抱えたときに、誰に相談すればよいのかを明確にしておくことも重要です。
特定技能外国人の受入れでは、生活面を含めた支援が必要になる場合があります。
企業だけですべてを対応するのが難しい場合は、登録支援機関などの専門機関と連携することで、外国人材が安心して生活できる環境を整えやすくなります。
仕事だけでなく「日本で安心して生活できるか」という視点から面接を行うことも、長期的な定着につながります。

9.日本の職場文化・ルールへの理解
日本と外国では、職場でのコミュニケーションや仕事の進め方に違いがある場合があります。
もちろん、すべての外国人が同じ考え方を持っているわけではありません。しかし、文化や職場経験の違いによって、企業側と外国人材の間で認識の違いが生じることがあります。
例えば、
- 時間を守る
- 遅刻や欠勤の場合は事前に連絡する
- 上司からの指示を確認する
- 分からないことは質問する
- ミスをしたら報告する
- 安全ルールを守る
- 職場のルールを守る
といった基本的な行動について、面接時から説明しておくとよいでしょう。
例えば、
「体調が悪くて出勤できない場合はどうしますか?」
「仕事中に分からないことがあった場合、どうしますか?」
「仕事でミスをした場合、どうしますか?」
といった質問をすると、応募者の考え方を確認できます。
ただし、「外国人だから日本の文化に合わせなければならない」という一方的な考え方ではなく、企業側も外国人材に分かりやすくルールを伝えることが重要です。
曖昧な表現ではなく、具体的なルールとして説明しましょう。
例えば「遅刻しないでください」だけではなく、「遅刻しそうな場合は、○○へ電話してください」と具体的に伝えることで、外国人材も理解しやすくなります。
また、入社後には日本人スタッフ側にも外国人材とのコミュニケーションについて理解してもらうことが大切です。
企業と外国人材が互いに理解し合うことが、働きやすい職場環境づくりにつながります。

10.将来のキャリア・日本での生活希望
最後に確認したいのが、応募者の将来のキャリアや日本での生活希望です。
特定技能外国人を採用する企業にとって、採用した人材に長く働いてもらうことは非常に重要です。
そのため、面接時から「この人は将来どのような働き方をしたいのか」を確認しておきましょう。
例えば、
「日本でどのくらい働きたいですか?」
「将来取得したい資格はありますか?」
「将来的にどのような仕事をしたいですか?」
「日本語をもっと勉強したいですか?」
などの質問ができます。
例えば、介護分野であれば、将来的に介護福祉士を目指したいという人もいるでしょう。
その場合、企業側が資格取得をサポートすることで、本人のキャリアアップだけでなく、長期的な人材定着にもつながる可能性があります。
一方で、応募者が「数年働いた後に母国へ帰国したい」と考えている場合もあります。
その希望自体が悪いわけではありません。
重要なのは、企業側が応募者の希望を理解し、会社が期待する働き方と大きな違いがないかを確認することです。
採用時に将来の希望について話し合っておけば、入社後のキャリア形成についても計画を立てやすくなります。
外国人材を「人手不足を補うための人材」とだけ考えるのではなく、一緒に働く社員として成長を支援することが、長期的な定着につながります。

特定技能外国人の面接では「採用すること」だけを目的にしない
特定技能外国人の採用面接では、応募者の能力や経験だけを確認するのではなく、企業と応募者がお互いの条件や仕事内容を正しく理解することが重要です。
面接時には、次の10項目をチェックしておきましょう。
- 日本で働きたい理由
- 仕事内容への理解
- 日本語能力
- これまでの職歴・経験
- 特定技能制度への理解
- 給与・勤務時間・休日
- 夜勤・シフト勤務への対応
- 日本での生活環境
- 日本の職場文化・ルール
- 将来のキャリア・生活希望
特に重要なのは、企業側から一方的に説明するだけで終わらせないことです。
応募者が本当に内容を理解しているのか、疑問や不安を持っていないか、実際にその条件で働くことができるのかを確認しましょう。
「採用できたか」ではなく、「採用後も安心して働き続けられるか」まで考えて面接することが、特定技能外国人の定着につながります。
特定技能外国人の採用でお困りの企業様へ
特定技能外国人の採用では、求人募集や面接だけでなく、在留資格に関する手続き、雇用契約、入社準備、生活支援など、さまざまな対応が必要です。
初めて外国人材を採用する企業の場合、「どのように募集すればよいのか」「面接では何を確認すればよいのか」「採用後には何をすればよいのか」など、分からないことも多いでしょう。
また、採用後のミスマッチを防ぐためには、面接時から仕事内容や労働条件を分かりやすく説明し、企業と外国人材の双方が納得したうえで採用を進めることが重要です。
当社では、特定技能外国人の採用を検討されている企業様に対して、外国人材の採用から入社後の支援までサポートしています。
「外国人材を採用したいけれど、何から始めればよいか分からない」
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