◆外国人材送り出しについて(自動車運送業)
自動車運送業の現状について
・コロナ禍での離職、時間外労働規制の見直しいわゆる「2024年問題」等により、ドライバー不足が深刻な状況であり、5年後にはトラック、タクシー、バスの運転手が28万人程度の人手不足が生じると推計されています。
特定技能「自動車運送業」の対象分野
その会社に雇用されている日本人ドライバーが通常行う業務に従事させることが可能です。
以下の業務が主な業務となります。
トラック運転手
・運行業務(運行前後の車両点検、安全な貨物の輸送、乗務記録の作成)
・荷役業務(荷崩れを起こさない貨物の積付け)
タクシー運転手
・運行業務(運行前後の車両点検、安全な旅客の輸送、乗務記録の作成)
・接遇業務(乗客対応)
バス運転手
・運行業務(運行前後の車両点検、安全な旅客の輸送、乗務記録の作成)
・接遇業務(乗客対応)
※これらの関連作業も含みます(車内清掃等)
外国人本人の要件について
分野 | 技能水準 | 日本語能力 | 新任運転者研修 |
トラック | ・評価試験 (トラック)合格 ・第一種運転免許 | 日本語能力試験(N4以上) | ×(不要) |
タクシー | ・評価試験 (タクシー)合格 ・第二種運転免許 | 日本語能力試験(N3以上) | 〇(必要) |
バス | ・評価試験 (バス)合格 ・第二種運転免許 | 日本語能力試験(N3以上) | 〇(必要) |
トラックとバス及びタクシーでは要件が異なります。
評価試験は正式に、自動車運送業分野特定技能1号評価試験と呼ばれ、一般財団法人日本海事協会により実施されます。
ともに評価試験合格が必要ですが、それに加えトラックは第1種運転免許が求められ、バス及びタクシーは第2種運転免許が求められます。日本語能力については、トラックは日本語能力検定N4以上、バス及びタクシーについては接遇業務があるため、N3以上が必要とされています。
また、バス及びタクシーは新任運転者研修を受けることが必要です。
新任運転者研修とは
- 新任運転者研修では以下の研修を行います。
- 座学研修(法令、接遇、地理、安全に関する研修)
- 路上走行研修
- 適性診断
また、新任運転者研修の修了は、業界団体が定めた効果測定の基準に基づき判定されます。
運転免許取得方法・特定活動期間について
特定技能「自動車運送業」には働く前の準備期間として特定活動期間が設けられています。
トラックは最長6ヶ月、バス及びタクシーは最長1年の期間が特定活動期間として与えられます。
分野 | 特定活動期間 | 活動内容 |
トラック | 最長6か月 | 第1種運転免許の取得 |
タクシー | 最長1年 | 第2種運転免許の取得 新任運転者研修 |
バス | 最長1年 | 第2種運転免許の取得 新任運転者研修 |
特定活動期間内に日本での運転免許の取得をします。主に外免切替で行いますが、自動車教習所での運転免許の取得も可能です。また、バス及びタクシーに限り新任運転者研修等を受けます。
この期間内に運転業務は行えませんが、荷物の積み下ろしや、清掃等の業務を行うことは可能です。しかし日本運転免許取得後、速やかに特定技能ビザに切り替えることが求められます。
特定活動期間は5年間の特定技能の期間に含まれないので、特定技能に移行後も5年間働くことが出来ます。なお、6か月に以内に日本運転免許を取得できない場合、引き続きの雇用は出来ません。
外免切替について
外国の運転免許証を持っている場合、運転免許センターにて日本の運転免許証への切り替えることができます。
必要書類
- 有効な外国の運転免許証
※免許を取得した国に3ヶ月以上滞在していることが必要です。 - 免許取得日(初回取得日)証明書類
- 指定機関による運転免許証の日本語による翻訳文
※当該国の駐日大使館、日本自動車連盟(JAF)によるもの。作成には6000円かかり、3-4日を要します。 - 住民票(国籍の記載があり、マイナンバーの記載がないもの、コピー不可)
- 運転免許を取得した国、地域に運転免許を取得後通算して3カ月以上滞在したことが確認できるもの(パスポート等)
- 在留カード又は特別永住者証明書等
- 証明写真(縦3cm×横2,4cm)1枚
※無帽、正面、上三分身、無背景、申請前6か月以内に撮影したもの
外免切替の流れ
- 必要書類提出、審査
免許センターに各必要書類を提出後、書類審査の予約を行います。
受付は当日先着順、1人当たり40-50分ごとの面談・審査が必要。
午前中までに受付できないと当日の事前審査ができない可能背があります。 - 適正監査
視力検査(視力0.7,それぞれ0.3以上)・色彩識別能力審査・聴力検査 - 知識確認
運転に必要な知識に関する確認(筆記試験:10問中7問以上の正答で合格)
外国語での実施もあるが、対応言語は都道府県により異なる。 - 技能確認
運転に関する実技の確認(実技試験:100ポイント中70ポイント以上で合格)
安全性重視での不合格になるケース多々あり。混雑している場合には再予約に時間を要する。 - 免許証交付
技能確認に合格した当日交付可。(外国免許が有効期限内である必要あり)外免切替後の日本の運転免許の有効期限は、交付日の3回目の誕生日の1カ月後まで。
受入事業所(所属機関)の条件
・運転者職場環境良好度認証制度(働きやすい職場認証制度)の認証、もしくは安全性優良事業所:Gマーク(トラックのみ)いずれかの認証取得が必要 ・道路運送法に規定する自動車運送事業(第2種貨物利用運送事業を含む)を経営している。